行政書士大阪高槻法務事務所
建設業許可とは?要件について詳...

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建設業許可とは?要件について詳しく解説

建設業とは個人・法人、元請・下請を問わず、建設工事を請け負う者のことを言います。
この記事では建設業許可について詳しく解説していきます。

建設業許可とは

請負金額 税込500万円以上の建設工事を請け負うのに必要です。
「建築一式」については請負金額 税込1,500万円以上等の建設工事を請け負うのに必要です。

税込500万円未満(※1)の軽微な建設工事のみを請け負う場合を除いて、建設業の許可が必要になります。
また、建設業許可は29業種に分類されており、業種ごとに許可を受ける必要があります。
許可を得ずに税込500万円以上(※2)の建設工事を請け負った場合は、建設業法違反となり懲役(※)刑や罰金刑が科せられることになります。
建設業法に違反すると、5年間は建設業許可の取得が不可能になります。
なお、違反業者と契約を締結した元請業者も監督処分の対象とされています。

※1…建築一式については税込1,500万円未満。
※2…建築一式については1,500万円以上等。
※3…2025年6月1日より拘禁刑と名称が変更になります。

建設業許可の要件とは

建設業許可取得するには要件が定められており、以下を全て満たしている必要があります。

  1. 経営業務の管理責任者がいること
  2. 専任技術者が営業所ごとにいること
  3. 建設工事請負契約に関して誠実性があること
  4. 建設工事請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していること
  5. 欠格要件に該当しないこと
  6. 適切な社会保険に加入していること(適用が除外される事業者を除く)

経営業務の管理責任者とは

建設業許可を取得したい場合、個人事業主ご本人様、法人で許可を取得する場合には、許可を受ける法人の常勤の役員(代表取締役・取締役)が次の要件を満たしている必要があります。

建設業許可を取得しようとする業種に関して、法人の役員(代表取締役・取締役)、個人事業主、令3条の使用人(建設業許可業者の支店長)として【5年以上】の経験があること

改正法の施行後、業種に関連する経験年数の違いがなくなり、業種に関係なく5年以上の経験が求められます。
改正前は、業種に関連する経験は5年以上必要だったものの、業種外の経験には6年以上が求められていました。
しかし、改正後はその区別がなくなり、業種に関連するものでも、異なる業種での経験でも、どちらも5年以上の経験で要件を満たすことができるようになりました。

少し難しいと思いますので、以下の具体例をご確認ください。

例:防水工事業の許可を取得する場合

・防水工事業を行う建設会社の代表取締役・取締役として5年以上の経験がある
・防水工事業を行う個人事業主として5年以上の経験がある
・防水工事業の許可を取得している建設業者の令3条の使用人(支店長)として5年以上の経験がある
・管工事業を行う建設会社の代表取締役・取締役として5年以上の経験がある
・管工事業を行う個人事業主として5年以上の経験がある
・管工事業の許可を取得している建設業者の令3条の使用人(支店長)として5年以上の経験がある

専任技術者とは

営業所(本店等)に常勤する専任技術者がいることが要件とされています。
専任技術者の要件は一般建設業許可と特定建設業許可で異なります。

■一般建設業許可の専任技術者の要件

以下のいずれかの要件を満たす者が専任技術者になることができます。

  1. 許可を取得しようとする業種について法律で定められた資格・免許を有する者
    (一級土木施工管理技士、二級土木施工管理技士、二級建築士、第一種電気工事士など)
  2. 学歴、資格の有無を問わず、許可を取得しようとする業種について10年以上の実務の経験を有する者
  3. 大学(高等専門学校・旧専門学校を含む)所定学科卒業後、建設業許可を取得しようとする業種について3年以上、または高校(旧実業高校を含む)所定学科卒業後、5年以上の実務の経験を有する者

■特定建設業許可の専任技術者の要件

以下のいずれかの要件を満たす者が専任技術者になることができます。

  1. 許可を取得しようとする業種に対して、国土交通大臣が定めた試験に合格した者、または国土交通大臣が定めた免許を受けた者(一級土木施工管理技士、一級建築施工管理技士、一級建築士など)
  2. 一般建設業許可の専任技術者の要件に該当し、かつ元請として税込4,500万円以上の工事について、2年以上指導監督的な実務の経験(建設工事の設計または施工の全般について、工事現場主任または工事現場監督のような資格で、工事の技術面を総合的に指導した経験)を有する者(※注)
  3. 国土交通大臣が上記に掲げる者と同等以上の能力を有すると認めたもの(大臣認定者等)

(※)指定建設工事業(土木工事業、建築工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、電気工事業、造園工事業の7業種)については上記「指導監督的実務経験の要件」以外の要件を満たさなければなりません。

建設工事請負契約に関して誠実性があることとは

建設業許可を取得しようとする法人、役員、個人事業主、令3条の使用人等が請負契約に関して、不正または不誠実な行為をするおそれがないことです。

■不正な行為とは…請負契約の締結または履行に際して、詐欺、脅迫、横領などの法律に違反する行為
■不誠実な行為とは…工事内容、工期などについて請負契約に違反する行為

建設工事請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していることとは

建設業許可の要件には財産要件があります。
建設業許可を取得しようとする法人または個人事業主が請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用を有していることです。
財産要件は、一般建設業許可と特定建設業許可で異なります。

■一般建設業許可の財産要件

次にいずれかの要件を満たす必要があります。

  1. 自己資本の額が500万円以上あること
    →貸借対照表の「純資産の部」の「純資産合計」の額
  2. 500万円以上の資金を調達する効力があること
    →500万円の資金調達能力は、会社に500万円以上の預金残高がある状態で金融機関から発行された「預金残高証明書」で証明することになります。

■特定建設業許可の財産要件

次の全ての要件を満たす必要があります。

  1. 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
  2. 流動比率が75%以上あること
  3. 資本金が2,000万円以上あること
  4. 自己資本が4,000万円以上あること

欠格要件に該当しないこととは

建設業許可を取得しようとする者(法人の役員、個人事業主ご本人等)が以下の欠格要件の全てに該当しないことが必要です。

  1. 成年被後見人、被保佐人または破産者で復権を得ない者
  2. 不正な手段で許可を取得したことなどにより、その許可を取り消されてから5年を経過しない者
  3. 許可の取り消しを免れるために廃業の届出をしてから5年を経過しない者
  4. 請負契約に関して不誠実な行為をしたことなどにより、営業の停止を命じられ、その期間が経過していない者
  5. 禁固以上の刑に処せられその刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることが無くなった日から5年を経過しない者
  6. 建設業法、建築基準法等の建設工事に関する法令のうち政令で定めるもの、若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法等の一定の罪を犯し罰金刑に処せられ、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

適切な社会保険に加入していること(適用が除外される事業者を除く)とは

令和2年10月1日から、改正建設業法において「適切な社会保険の加入」が義務化されました。
建設業許可の申請の際は、建設業を営む全ての人が適切な社会保険に加入されていることが確認されます。

■建設業許可申請で求められる社会保険

  1. 健康保険
  2. 厚生年金保険
  3. 雇用保険

加入義務があるのに加入していない場合は、建設業許可申請ができません。

適用が除外される事業者とは

健康保険・厚生年金保険については、従業員5名以下の個人事業主の場合、適用が除外されるため、国民健康保険のまま申請が可能です。
また、土建組合等の国民健康保険組合に加入している場合は健康保険は適用除外となりますが、厚生年金保険の適用は除外されません。

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